漢文読書 blog

漢文読書のためのメモ

夏日西斎即事 司馬光

4月3日、家族で師友のお宅にお伺いして、夕食をいただきました。

座敷へ通され、ちょこんと座ると、
床の間に、菜の花が飾ってあって、
風雅だなあと思いつつ、掛け軸に目を遣りました。

榴花……。やっぱり読めないなぁと思いつつ、読める部分だけを目で追って、
司馬光之詩とあったので、直ぐ検索。

「夏日西斎即事」だということが分かりました。

 夏日西斎即事
 榴花映葉未全開
 槐影沈沈雨勢来
 小院地偏人不到
 滿庭鳥迹印蒼苔
     司馬光

訓読
榴花、葉に映じて未だ全くは開かず。
槐影、沈沈として雨勢来たる。
小院、地偏にして人到らず。
満庭の鳥迹、蒼苔に印す。

私訳
夏の日の書斎にて
開ききらない柘榴の花は緑の葉に映えて
えんじゅの木陰はひっそりとして雨の来る
人里離れた書斎は訪れる人なく
庭先の苔の蒼いっぱいに鳥の足跡があるだけだ。


人見知りの友は、「滅多に人を呼ぶことがないんです。」って言ってたが、
掛け軸の内容は知らないようで。

思った以上に漢詩に出会うもんだと
ひとりにこにこしながら、お食事をいただきました。