漢文読書 blog

漢文読書のためのメモ

麻婆豆腐

高松サンポートのマリタイムプラザ3階に、陳建一専門店が有る。
そこの麻婆豆腐を目当てに家族で昼食をとりに行った。

少し辛めの麻婆豆腐をいただきながら、壁に目を遣ると、額の中に白いタイル(?)が、

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こんな風に並んでるのを見つけた。

前に食事に来た時にもあったと思うけど、今日の光の当たり具合で、何か字が書いてあることに気付いた(白地に白字)。
左端に「李白客中行」と書いてある。ように見える。
右端には「蘭陵美酒鬱金」と。
李白の詩か。即検索。
直ぐ出た。

タイルのまま書くと

 處能珀香蘭↓
李是酔光玉陵
白多客但椀美
客郷不使盛酒
中 知主來鬱
行 何人琥金
 (嗚呼、写真を撮ってきたらよかった。)

なんか不自然。
なんで縦6文字にしたんだろう。
(額と壁に収まらないからなのだろうけど。)

タイルの数を数えると6×4+4=28。

ここでやっと気付く。
7×4=28→ 七言絶句だ(遅過ぎ)。

ということで、面倒臭いので横書きにすると


蘭陵美酒鬱金
玉椀盛來琥珀
但使主人能酔客
不知何處是他郷
李白客中行

こうすると、すっきりする。
七言にしただけで、分かりやすくなった。

タイルをよく見ると、訓点(送り仮名と返点)が打ってある。

麻婆豆腐を口に運びながら、白いタイルを見てた。

こういうのをふむふむと噛み締めながら
昼食を取れるようになりたい、などと思ったり。

以下訓読

蘭陵の美酒、鬱金香、
玉椀、盛り來る琥珀の光。
但だ主人をして能く客を酔わしむれば、
知らず、何の処か、是れ他郷。
李白 客中行
(国訳漢文大成. 続 文学部第10冊 国民文庫刊行会 編)

で、左の壁を見ると、
並んでこうなってる。

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つづく。
(2022年4月12日 記)