続麻婆豆腐
前回の「李白 客中行」
蘭陵の美酒、鬱金香、
玉椀、盛り來る琥珀の光。
但だ主人をして能く客を酔わしむれば、
知らず、何の処か、是れ他郷。
李白 客中行
(国訳漢文大成. 続 文学部第10冊 国民文庫刊行会 編)
の壁面の左側の話。
左の壁を見ると、並んでこうなってる。
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こっちは、光の当たり具合のせいで真っ白。
本当に能く見えず、4文字だけ読めた。
□□□□兩
□□□□箇
□□□□□黄
甫□□□□□
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縦書きは書きにくいので、横書きで書きます。
杜甫だ。
これも直ぐ検索。
直ぐ出た。
横書き→
両箇黄鸝鳴翠柳
一行白鷺上青天
牕含西嶺千秋雪
門泊東呉萬里船
杜甫絶句
夢中で見てたら、家族は食べ終わってご馳走様。
後でまた調べようということで、陳建一専門店を後にした。
以下、訓読。
両箇の黄鸝(こうり)、翠柳に鳴き、
一行の白鷺(はくろ)、青天に上る。
牕(まど)には含む、西嶺(せいれい)千秋の雪、
門には泊す、東呉(とうご)萬里(ばんり)の船。
杜甫絶句
(国訳漢文大成. 続 文学部第21の上冊 国民文庫刊行会 編 一一四頁)
翠の柳に二羽のウグイスが鳴いている。
一行(ひとつも)の白鷺が晴天高く上っていく。
我が草堂のまどには、千年消えることなき西嶺の雪の色が見え、
門前には、万里東呉に向かって下ろうとする船が泊まっている。
今までこの風雅を感じぬまま、中辛の麻婆豆腐を食べていたかと思うと。
勿体ないことです。
(2022年4月13日 記)